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9.おまけ 〜クリップボード〜

パソコンの中には、「クリップボード」というとても便利に使える場所が用意されています。コピーや貼り付け、といった操作でこのクリップボードを使っています。

通常、無意識にこのクリップボードを使っているのですが、これについて正しい知識を持ち、使い方の簡単な操作を覚えることで、もっとずっと便利に使うことができます。

 
「コピー」を「印刷」だと思っている子どもはとてもたくさんいます。先生方でも、パソコンで「印刷」することを「コピー」という場合は多くあります。でも、ことパソコンに関しては、これは<間違い>です。

パソコンで言う「コピー」は、パソコン独特の意味を持っています。これをきちんと理解しましょう。

印刷と似たようなことで、コピー機でのコピーがあります。これは印刷物などを複製する機械です。当たり前のことですが、何度もコピーを繰り返しているうちに画質は落ち、もとのものとはだんだん異なってきます。写真などをコピーすると、どんなに性能のよいコピー機でももとのものとは違っています。

しかし、パソコンでのコピーは、もとのものと全く同じ(どうやっても区別のできない)ものが複製されます。<同じもの>が二つになるのです。ここがパソコンのよいところでもあり、危険なところでもあります。この点をしっかり踏まえておいて下さい。

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パソコンの中に、「クリップボード」という場所があります。これは、パソコンにたった一つ、どのアプリケーションにも属さない外側にあります。「コピー」というのは、「なにか」をこのクリップボードに格納することです。「なにか」は、もとの場所に残っています。言い方を変えれば、クリップボードに格納したのと同じものを、もとの場所にも置いておく、と言うことです。

「コピー」と似たものに「切り取り」があります。こちらは、もとの場所を空っぽにします。

クリップボードには、ほとんど<何でも>格納することができます。文字列、画像、枠、ファイル、フォルダ、何でもです。ただし、たった一つしか格納することはできません。なにか格納する(コピーまたは切り取り)と、前に格納したものは消えてしまいます。

クリップボードから出すのが「貼り付け」です。場所を指定して「貼り付け」ると、指定した場所にクリップボードの中にあったものが現れます。

ここで面白いのは、貼り付けてもクリップボードの中身は変わらずに残る、と言うことです。従って、何度でも同じものを貼り付けることができるのです。

注目すべきなのは、クリップボードがアプリケーションの外にある、ということです。つまり、あるアプリケーションの「なにか」を、他のアプリケーションに「貼り付け」る事が出来る、という点です。ほとんど何でも、クリップボードを使えばアプリケーションを越えて複製・移動させることができます。

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もちろん、これは「コピー」「切り取り」「貼り付け」の三つです。通常なにかのウィンドウ(アプリケーションやエクスプローラ:マイコンピュータやMyDocumentsなど)のタイトルバーのすぐ下、メニューバーの「編集」の中にあります。しかし、中にはメニューバーを持たないウィンドウもたくさんあります。こういったウィンドウの中のものをコピーしたい時にはどうするかといえば、ショートカットキーを使います。

ショートカットキーというのは、マウスでコマンドを実行する(メニューバーのコマンドやツールバーのアイコンで)代わりに、キーボードを使ってコマンド操作を簡単に実行する機能です。

コピー → Ctrl + C、 切り取り → Ctrl + X、 貼り付け → Ctrl + V
(ここで + とは、先のキーを押したまま、後のキーをポンと押す、と読みます。)

がショートカットキーです。いまでは、Windowsパソコンのほとんどどの場面でも、このショートカットキーが使えるようになっています。従って、ある場面でなにかを「選択」し、そのなにかの上で Ctrl+C とやれば、それがクリップボードにはいる、というわけです。

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インターネットの画面にあるものは、もちろん「切り取り」はできませんが、「コピー」はできます。ここで、初めに書いたことを思いだしてください。「コピー」は、もとのものと同じものをクリップボードに格納するのでした。インターネット上の文章やイラスト、写真など、自由にコピーできてしまいます。うっかりすると、このコピーしたものを勝手に使ってしまうかも知れません。「勝手に」使うことは、著作権を考えると、いけないことだとすぐわかります。全く同じでなくても、もとのものがすぐわかるような使い方もいけません。簡単にコピーはできますが、使う時には十分注意しましょう。

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アプリケーションの中には、いくつかに分けて使えるクリップボードを持っているものがあります。通常一つしか格納できないクリップボードに、たくさんのものを個別に格納できるように見えます。この新しいクリップボードを共有できるアプリケーション間では、たくさんのものを同時にあるいは別個に複製・移動させることができます。

このクリップボードは、上に書いたクリップボードとは違うものです。「共有」する、と書きましたが、Microsoft社製のOfficeアプリケーションなどのような、同じメーカーのアプリケーション同士で共有できる場合があります。共有できるアプリケーションがすべて閉じられると、このクリップボードもなくなります。上に書いたクリップボードは、アプリケーションの起動に関係なく、最後にコピーしたか切り取った「なにか」を一つだけ保持しています。ここが、二つのクリップボードの異なる点です。初めに書いたクリップボードは「不滅」です。

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