5. 3回の配分
パソコンの基本を、3回分の授業として書いてきました。
このとおりの内容では、時間配分が均等にならないこともあります。そのときは、2時間目の内容を少し1時間目に持って行ってもいいでしょう。これは、そのときどきで対応してください。
3時間目の文字入力は、パソコンを使う上で避けて通れないことですから、まず、文字を作ること以前の話は、きちんと理解してほしいです。実際の文字入力は、50音表の使い方さえわかれば、使いながら慣れていければいいです。1時間ですべて覚えてしまおうとすることの方が難しいので、無理をしないようにしましょう。
子どもたちにとって、知らない字(アルファベット)を組み合わせて平仮名を作る、ということは、けっこう楽しい作業です。無理強いせずに続けていくことで、必ず文字入力に慣れていきます。
パソコンを使う基本は3つ。
(1)マウス操作とキーボード操作(アクション)
(2)画面を読むこと(レスポンスの受け取り)
(3)文字入力
でした。これを、3回で身につけられるように説明してきました。
なぜこれらのことを覚えておくといいかと言えば、情報の取り扱い方の授業(情報教育や、情報モラルなど)でパソコンを使うとき、操作の説明に時間や手間を取られることで、本来の授業の目的を見失いかねないからです。
パソコンは、情報を扱う道具として使い方や、気をつけなくてはならないことなどを学習できる、たいへん便利な機械です。パソコンを使った授業を通して学ぶべきことは、操作の仕方ではなく、情報の取り扱いについてです。
基本のうち、(1)のボタンやキーの押し方、(3)の文字入力は、練習(訓練)で上手になります。一方、(1)のマウスの持ち方やキーを押す手のかたち、(2)の画面を読む力は、「慣れ」です。いずれも、基本の説明が理解されていれば、使っているうちにだんだん上達してきます。説明すべきところ、押さえておくべきところをきちんとしておけば、先へ進むことはそう難しいことではありません。
パソコンは自己流でも何とか用は足りてしまいますが、基本と言える点を知っているのと知らないのとでは、作業能率の向上は、大きく異なってきます。言葉で書けばこのようにたくさんのページ数を必要としてしまいますが、慣れてしまえば何でもないことばかりです。是非、何度も読んで、慣れてください。
最後に、子どもたちが困って「センセー!」と声を上げたとき、先生がすべきことは、さっさと解決してしまうことではなく、なぜ先生を呼ぶことになったのかその原因を説明し、直し方を教えて、子どもたち自身が操作して解決するようにすることです。こうすれば、次にトラブルになったとき、自力で解決できるし、回りに教えることができ、「センセーコール」はだんだん減って、授業がスムースに進みます。授業の始めに、Esc キーと、「元に戻す」ことを浸透させておくことも、「センセーコール」を少なくすることに効果があります。是非、ちょっと我慢して、余裕を持った指導になりますように。