1. はじめに
        
        多くの学校にパソコン室が整備され、子ども一人ずつにパソコンがあり、さまざまなソフトウェアが導入されるようになりました。これらのソフトウェアの中には、情報教育を学ぶときにとても役に立つものも含まれていて、子どもたちがそういうソフトウェアを使って、情報モラルのシミュレーションを体験したり、コミュニケーションを取る練習ができるように、整備が進んでいます。
        ところが、実際に子どもたちがパソコン室に行き、これらの整備を使おうとしても、使うためのパソコンスキルが十分でないと、使い方を説明するのに時間がかかったり、適切に操作できなかったり、使い方のスキルに個人差が大きくて、十分授業の目的が果たせなかったりします。
         
        パソコンは、自己流でもそこそこ使うことができますが、それではなかなか快適に使っていくことが難しくなるし、上達もできにくいです。
        パソコンは機械ですが、「考える」機械です。使う人間が、上手に考え方を導いていくことで、役に立つ、便利な道具になります。基本的なことをしっかり踏まえておけば、パソコンと仲良くなれて、またとないよきパートナーにすることができます。
        パソコンを便利に使う、ということは、パソコンに「命令」するだけではなく、パソコンに向かって行動し、パソコンの返事を的確につかみ、また行動する、という繰り返しがスムースにいくことです。パソコンと、上手にコミュニケーションを取りながら、共同作業をする、ということです。パソコンスキルとは、単に個々のアプリケーションをそつなく使うことだけでなく、どんな場合も、パソコンとのこうした「意思疎通」ができる、ということです。
         
        パソコンに向かって行動するときに使うのが、マウスとキーボード。
        パソコンが返事をするときに使われるのは、画面と音、です。
         
        「行動」をアクション、「返事」をレスポンス、と言い換えてもいいでしょう。
        キーボードは、文字入力するときに使う、と思われていますが、実際には、パソコン操作に使うこともたいへん重要な機能です。
        パソコンを使うには、このアクションとレスポンスが確実に相手(人間とパソコン)に届くことが必要です。また、届ける(受け取る)ときにストレスなくできることも大事です。
         
        授業の場でパソコンを活用したいけれど、スキル習得にかける時間がとれない、と思うとき、ちょっとがんばって3時間、工面してみませんか?
        この3時間で、パソコンの基本の基本をマスターしてしまいましょう。
        
        マスターするのは3つ。
        (1)マウス操作とキーボード操作(アクション)
        (2)画面を読むこと(レスポンスの受け取り)
        (3)文字入力
        です。これを、3時間で覚えます。
        
        なお、ここで言う3時間は、学年によりません。何年生でも、3時間で基本を身につけ、コツがわかるようになるので、是非、ここから先を読んでみてください。そして、できそうだと思ったら、まず3時間とりましょう。
        また、よくパソコンを使う大人の人にも、一読をお勧めします。
         
        パソコンのコントロールは、Windowsマシンの使い方です。他のパソコンでは、部分的に読み替える必要があるかも知れないことを、ご了承ください。
        マウスは右手用で書いています。
        パソコンは、「コンピュータ」と言った方が正確ですが、ここでは馴染みのある「パソコン」という言葉を使っています。
        パソコンの環境によって、画面表示などが異なる場合については、できるだけ説明を加えていますが、説明が膨大になるため、特にことわりなく割愛している部分がありますことを、お詫びいたします。