パソコン授業のホーム
簡単な説明のページ

パソコン授業の勧め
 
ここでは、わたしが2年余にわたり情報教育アドバイザーとしてパソコン授業のお手伝いをしてきて今感じていること、考えていることなどなどをまとめています。この中には、教えていただいた先生方のご意見も入っています。これらはあくまでも私見としてお読みいただき、これからのパソコン授業への何らかの参考にしていただければ幸いです。
だいたいは、パソコンでこんなことができる、という紹介ですが、中には教科に関する個人的な思いも書かせていただきました。また、言っていることが矛盾しているように感じるところもあるかもしれませんが、どれも皆、一様にわたしの思いです。
また、ここで紹介しているアプリケーションソフト(以下ソフト)は、あくまでもわたしが見聞きしたことのある範囲ですのでご理解ください。
 
 
 
目次
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 今の小・中学生は、将来必ずパソコンを使って何かをすることになるでしょう。ですから、早いうちにパソコンのある環境に身を置き、パソコンとは何か、パソコンを使って何ができるか、正しい使い方があるとすればそれは何か、などについて感じ取ることがとても大切です。
 ここで、「感じ取る」と言ったのは、特に小学校低学年などでパソコンが特別なものになって、抵抗を感じるようになっては困ると思うからです。パソコンは身近において、親しみのある道具になってほしいと思うからです。
 ドリル的な教科のソフトでは、ゲーム機のコントローラをマウスに持ち替えただけで、あまり目新しいことはありません。パソコンが本来持っている<道具>としての機能を学年相応に使って、新しい発見があったり、作品を作ったり、またその作品を見てもらうことで、よりいっそうパソコンと仲良しになり、次々と新しい段階に進むことができるのです。
 もちろん、パソコン操作としては「正しい」使い方があります。最低限の正しい使い方はきちんと教える必要がありますが、いろいろな<道具>としての使い方を覚えていくうちに、パソコンがだんだん使えるようになってきてほしいです。パソコンを使った授業が、操作の技術のみにならないようにしたいです。そうこうしているうちに、子供たちの方から活用法が出てくるぐらいになるとよいと思います。
 子供たちはパソコンが好きです、でも今の段階では、単にゲーム機の延長か、ホームページを見るための道具としかとらえられていないように思います。折に触れパソコンを活用することで、ゲーム機ではない便利な道具として馴染んでいけるよう、最大限アドバイザーを使っていただけますようお願いいたします。
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 プログラムランチャーとは、アイコンをいくつかにまとめてシングルクリックでソフトを起動できるようにしたものですが、学年ごとにまとめられている場合が少なくないようです。ランチャー画面を全画面表示にしているものは、授業で不必要な操作を子供がしないようにしているものと思われます。
 しかし、授業の様子を見ていると、低学年でも高学年のリストに入っているソフトを使ったり、Ctrl+Alt+Deleteを使ってランチャーを終了させてからソフトを起動させたりと、本来プログラムランチャーの導入によって期待される使い方がされてないように思います。
 学年ごとのリスト以外のものを使いたいのは、授業の目的にあったソフトが該当学年のリストにないためであり、Ctrl+Alt+Deleteを使うのは、ランチャーにないソフトを使いたかったり(普段使わないものや、ゲームなど)、タスクバーの状態を見たい場合です。Ctrl+Alt+Deleteを使って、本来の画面にすることは、ある意味では危険なことです。また、ソフトが増えて画面に入り切らなくなることも考えられます。
 そこで、ランチャーの設定を次のようにしてはいかがでしょう。
・ランチャー全体で、一つのソフトに対するアイコンの登録はなるべく1カ所にする。
・アイコンは種類別に分類して一つの画面にまとめる。
・インストールされているソフトは、ゲームなども含めてできるだけランチャーに登録する。
 また、タスクバーが見えていないときには、Alt+TabまたはWindowsキー+Tabを使います。Altを押しながらTabを押すと、起動されているソフトの確認ができます。また、アクティブウィンドウの切り替えもできます。Windowsキーを押しながらTabを押せば、タスクバーを表示することができます。
 特に低学年においては、マウスポインタを動かさずにダブルクリックすることは、大きなマウスを使っているのでかなり難しいことです。ボタンが大きく、シングルクリックでソフトの起動ができるプログラムランチャーは、上手に設定すればパソコンに不慣れな人にとっては有効ですから、使いやすいランチャーを検討してみてはいかがでしょう。
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 Windowsソフトのほとんどのウィンドウでは、メニューバーに並んでいる言葉は統一されています。当然この中には、小学校の低学年では習わない字やカタカナの言葉も多く含まれていますが、パソコンに現れる用語の数は限られています。是非、学年を問わず、こういった言葉の読み、意味は、初めから理解できるようにしてください。
 また、キーボードのキーの名前、マウスの扱いに関するもの、ウィンドウ操作に関するものなども、初めから正しい読みと意味を使えるようにしてください。(ただし、アルファベットの名前は知らなくてもいいです。事項参照)
 例としては、以下のようなものです。
編集・表示・挿入・書式・設定・罫線・終了・実行・取消・枠・飾り・絵・図
ファイル・フォルダ・フォント・ツール・ウィンドウ・ヘルプ・キャンセル
Enter・Alt・Delete・Ctrl・BackSpace・Shift
バツではなく「閉じる」ボタン、カチカチッでなく「ダブルクリック」
 ここで、Alt は、「アルト」と発音されることが多いのですが、おおもとの単語はalter(オールタ:変える)であり、正しくは「オルト」です。「変える」とは、キーの意味を変える、ということで、たとえば、メニューバーに並んでいる「ファイル(F)」の(F)は、「ファイル」をクリックする代わりにAlt&Fでもよい、という意味です。
 パソコンのソフトには必ず「ヘルプ」がついています。各ヘルプの使いやすさは別として、これを使うにはどうしても、知りたいことをパソコンの言葉で表現し、表示されたヘルプを読んで理解できなくてはなりません。このためには、上記のように、早い時期にパソコンの言葉になじんでいることが必要です。
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 1年生から、ローマ字入力を教えていいと思います。
 パソコンで言うローマ字は、国語の教科書のローマ字とは違っていて、これをローマ字だと思うと困ることもあります。(フリガナ、と言ったら当たっていると思います)そこで、アルファベットは読めなくても「K」と「A」をこの順に押せば「か」になる、ということを指自体が覚えるようにすればよいと思います。パソコンの授業では「ローマ字」という表現はしないようにします。
 今の子供たちは、将来必ずキーボードから文字などを入力するようになるので、今これを覚えてしまえばとても楽です。キーボードには仮名打ちができるようにひらがなもついていますが、これを覚えるために費やす時間は、アルファベット入力を覚える方に振り替えた方が有効だと思います。
 アルファベットを使って文字入力が快適に行える、というメリットは、単に文章が速く打てる、ということだけでなく、ショートカットキーを使ってパソコンを流れるように操作したり、さらにタッチタイピングを覚えれば手元を見ないことでソフトの便利な機能が使えたり、思考が中断しないので表現豊かな文章を作ることにもつながります。
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 ローマ字入力をするなら、是非タッチタイピングができるように訓練することをおすすめします。
 スポーツをするときには、必ず姿勢から入り、素振りやシャドウプレイを練習します。学校でも鉛筆の持ち方や辞書の引き方を勉強すると思います。そういったことと同じで、正しいやり方でなくてもそこそこのことはできるけれど、上達するためには正しいやり方をマスターすることが不可欠になります。
 タッチタイピングの習熟を目標としたときのキー入力では、
   1)姿勢を正しくする。
     肘が90°になるくらいに椅子の高さを調節する。
     スペースキーを正中に持ってくる。(画面の正面が真ん中ではない。)
     背筋を伸ばす。
     手首(から肘まで)を机につける。(これは慣れるまでの間。)
   2)手元を見ない。
     絶対に手元を見ないこと。手の上にタオルなどをかけて練習するとよい。
   3)ホームポジションを守る。
     ホームポジションが守れていないと、手元を見ないでは決して打てない。
を必ず守って下さい。
 練習ソフトとしては、以下の条件がそろっているものが適当です。
    1)ホームポジションからの練習が順序だってできるもの。
    2)画面にキーボードの絵と使う指が表示されているもの。
    3)スピードのみを強調せず、ゲーム感覚も盛り込まれているもの。
    4)日本語入力の仕方(仮名とローマ字との対応)を覚えられるもの。
 こういったソフトはなかなか少ないのですが、
一太郎スマイル・キーボードモンスターズ・キューブネットJr.・Ozawa-Ken
などがあげられます。(各ソフトについての詳細は8.ソフトの紹介を参照してください。)
 大人の場合には、ホームポジションの段から、英文タイプの感覚で練習を始めればいいのですが、小学生では、ワープロを使ったひらがな入力を並行して行うとよいようです。まず、ホームポジションの説明をしてから、AIUEOの位置と指を覚えてしまいます。後は一つ一つ子音を覚えていくことで、画面にひらがなが表示されるおもしろさが分かるようです。(特にカ行、サ行はホームポジションなので、入力しやすい。)また、適当な単語を選んで段ごとに練習できるようなものを作るのも良いと思います。
 練習ソフトに慣れてきたら、画面のキーボードの絵、次は使う指の表示も紙などで隠して、出題の文字だけで打てるようにします。
 要領の分かった子供はどんどん進んでいけるのですが、段階を踏むにつれて進度には大きな差が出てきます。このとき、全員を同じように進ませることは不可能ですし、また必要もありません。向き不向きもあります。大切なことは、無理強いせず、誰もがパソコンを道具として使えるようになることで、絶対にパソコンを嫌いになってほしくない、ということです。
 集中して練習することは効果が上がりますが、飽きてしまうこともあります。特に低学年では、お絵かきやドリルなど、面白いことと組み合わせて興味が失せないように考えていきたいです。また、高学年では、具体的な目標を持ってパソコンに取り組む、ということも大切かと思います。(調べ学習やそのまとめ、など)
 前にも書いたように、厳密にはパソコンでのローマ字は国語の教科書のローマ字とは違います。従って、ローマ字が国語ででてくる時期に合わせてパソコンのローマ字打ちを始めることはかえって混乱の元になります。なるべく早いうちにパソコンのキーボードを始め、国語のローマ字の頃にはタッチタイピングをマスターしているくらいがよいと思っています。
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 日本語入力機能(IMEやアプリケーション内などで)には、ソフトウェアキーボードが備わっています。これは、かなをキーボードで入力する代わりに、画面の50音表をマウスでクリックすることで入力できるようにしたものです。ローマ字を知らない低学年向けに考えられているのだと思いますが、実は、低学年にとってマウスポインタを合わせてそれを動かさないでクリックすることはとても難しいのです。また、50音表から字を探すのも結構時間がかかっています。濁音、半濁音、句読点も入力しづらいようです。従って、上記のようにローマ字入力の仕組み(子音と母音の組み合わせ)がわかってしまえばキーをたたく方が遙かに楽に文字入力ができると思います。
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 各項目でソフトを紹介していますが、同一の機能を持つもののほんの一部であることをご了承ください。
 子供向けに限らず、世にお絵かきソフトは無数にあります。でも、ここでお絵かきという場合、図工で言う絵、という意味と、パソコンを快適に操作する、という意味と二つあります。
 パソコン操作から見るとまず第一には、軌跡を伴うドラッグです。画面にスムースな線を思い通りに引くことは実はとても困難なことです。しかし、ソフトの持っている様々な表現(スタンプ、画面に加える効果、塗りつぶしの柄など)だけを使った絵は、きれいかもしれませんがおもしろくありません。自分の力で線を引くことで個性ある絵になるし、友達に見せてほめたり笑ったり感心したり、というコミュニケーションを生むことにもつながります。
 スタンプなどはあくまでもアクセントとして多用せず、自分の絵が描けるようにしたいです。こういう意味で、あまりにたくさんの柄やスタンプ、効果が備わってknいるお絵かきソフトはそれらを使うことばかりに専念して、自分で絵を描くことを忘れてしまいかねないので、絵を描く授業では使い方に気をつけた方がいいでしょう。もちろん上手に使えば効果的であることは言うまでもありません。
 第二に、描いた絵に対しての様々な操作です。コピー・移動・反転・拡大縮小・回転など、一般的な枠に対するのと同じ操作になります。目的の範囲を選択し、操作を加えるという、パソコンの基本的な使い方に通じるので、是非、お絵かきを通してある程度理解できるところまで行きたいです。
 曲がりなりにもお絵かきできるものも含めて、ソフトとしては以下のものなどです。
Windows付属のペイント・スーパーYUKI(道具−図形を描く)・イントラバケッツ・一太郎スマイル・キューブネットJr.・キッドピクススタジオ・ランドセル(1年)・さんすうランチボックス(かたちをつくろう)
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 パソコン上で音楽を作り(楽譜を入力する)、複数のパソコンでの同時演奏によって、合奏の形をとることができます。写譜とリズム譜の作成を組み合わせて、知っている曲を演奏してもいいし、リズム譜のみの合奏もおもしろいです。
 テンポや音色なども自由にかえることができ、実際の楽器の演奏が不得手な子供も、合奏を楽しむことができます。
 楽譜は正確に入力しないと合わなくなってくるので(音程とリズム)注意力が必要ですし、ドラッグ・アンド・ドロップの技術も必要になってきます。
 合奏が成功したときの達成感は、実技のそれとはまた違ったものとなるでしょう。
 ソフトは次のものが使えます。
音楽を作ろう(たのしいおんがく)・キューブネットJr.
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 口で話す自己紹介とは異なり、パソコンで作る自己紹介では、絵または写真の取り込み、インパクトのあるレイアウトやフォント(色・大きさ・形)、文字の加工(ワードアートなど)、動き(アニメーション)、音の貼り付けなど、パソコン操作技術の多くの部分を使うことができますが、何よりここで大切なのは、文字入力です。
 快適に文字入力をすることの必要性を実感してもらえることと思います。また、ここで文字入力に時間がかかることで、パソコンそのものに抵抗感を持つようでも困ります。上手に文字入力を上達させることが、今後パソコンを<道具>として使いこなすことができるかどうかの一つの大きなキーになるような気がします。
 また、自己紹介のファイルをどの形で持つかも大切な選択肢です。印刷するのか、ホームページなどの形で公開するのか、などです。どれも、人に見せることが前提になるので、それなりの神経の使い方が必要になるし、いずれのファイルの作り方にもそれぞれテクニックが必要になってきます。先生方の側にも、ある程度以上のスキルが求められる部分です。この際、是非お願いしたいのは、子供全部が同じ形の作品を作る必要は全くない、ということです。パソコンの使い方になれるための作業として、できるだけ自由な発想で作品を作れるようにしていただきたいと思います。
 また、自己紹介だけでなく、掲示物の作成や、図工などの作品の紹介なども同じに考えることができます。
 ソフトは次のものなどです。
ワープロ(ワード、一太郎スマイル、キューブネットJr.など)・スーパーYUKI・イントラバケッツ・お絵かきソフト(枠として文字を入れることができるので)
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 プレゼンテーションというと大げさですが、要するに複数の紙(ページ)からなる発表の手段としてパソコンを活用しよう、という意味です。
 低学年では電子紙芝居、高学年では調べ学習などの発表として使うことができます。
 プレゼンテーションのできるソフトは、簡単なものから高度なものまでいくつかあるので、学年に合わせて選択すればよいと思います。
 これも、自己紹介と同様、パソコン操作の技術を駆使することで、よりアピールするインパクトのある作品を仕上げることができます。また、単ページではなく複数のページを組み合わせて一つの作品にするので、全体を見通した構成力、グループでの作業など、パソコン操作を越えたスキルも必要になります。互いに作品鑑賞することで、さらに高度な技術などの習得にもつながると思います。
 ソフトは次のものなど。
スーパーYUKI・キューブネットJr.パワーポイント
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 算数は他の教科と異なり、とても抽象的な概念を扱うので、抽象化の苦手な子供にとっては「できない」−「きらい」の悪循環に陥りがちです。しかも、身につけるためには十分な練習(たくさんの問題を解くこと)が必須となります。
 この点では、パソコンを授業で使うことは有効だと思います。
 授業の導入部では、算数ワールドシリーズが先生が説明しながら見せるのに適しています。これは、各単元の説明を、順を追って画面を変えて見せることを主としたソフトで、丁寧な展開になっています。先生が解説を加えることを前提としているのではないかと思います。
 計算などの練習には、ランドセルシリーズが使えます。計算練習のだいたいは限りなく問題が出題されてくるので、飽きるまで練習できます。正解・不正解の数が画面に表示されるものもあり、個々人の正答率が画面を見てわかるようになっています。また、飽きれば次の段階の問題に挑戦することもでき、それぞれの力に応じた練習ができます。低学年で鉛筆と消しゴムに抵抗があるときは、このようなゲーム感覚での練習も取り入れてよいのではないでしょうか。(高学年でも?)
 もちろん、ドリルとしてのパソコンは授業の補助でしかありませんが、本来のカリキュラムに支障のない限り、せっかくあるソフトは活用できればそれに越したことはありません。
 さんすうランチボックスの「かたちをつくろう」と、スーパーYUKIの「道具−図形を描く」では、定規やコンパスを使って作図をすることができます。また、多角形や円を簡単に作ることができ、色を付けたりして、お絵かき感覚で図形の勉強ができるようになっています。どちらかというとスーパーYUKIの方がクセがありますが、道具の使い方は似ています。
 さんすうランチボックスでは、作図の他に、作った平面図形を折りたたんだり、切って移動したり対称移動したりと、さまざま加工を加えることができます。また、授業で使う作図のサンプルが学年別にたくさん用意されています。「立体をうごかそう」では、立体図形も扱うことができます。簡単な立体図形の展開図、回転図形の作成、回転図形の断面や、クイズなどもあり、楽しめます。
 何でもパソコン、という姿勢には問題がありますが、授業で習った表とグラフが、パソコンでどう扱うことができるかを知ることは、おもしろいことだと思います。言ってみれば、この分野こそもっともパソコンを便利な道具として感じる部分ではないでしょうか。
 ドリル的なものでは、ランドセルシリーズやさんすうワールドシリーズにも単元としての「表とグラフ」があります。一般的にはいわゆる表計算ソフトを使用します。もっともよく使われているのがExcel ですが、小学生向きには機能が豊富すぎて、この点、キューブネットJr. の表計算のほうは小学生が使いやすいように機能を絞り込んでいます。いずれにしても、表を打ち込んで適当なグラフの設定をすることで思い思いのグラフを作ることができる表計算を、卒業までには少し使ってほしいと思います。
 表を打ち込むには日本語を入力する必要があるし、グラフを選んだり設定したりするにはこつがいります。また、できたグラフに対する操作は枠の操作にもなるので、全体的にパソコンとしての操作に慣れていないと難しいですが、高学年でこのくらいの操作ができるようなパソコンスキルが身に付くように、低学年からのパソコン授業を組んでいけるとよいと思っています。
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 調べ学習でインターネットを使うことが増えてきました。
 インターネットは、莫大な情報量を持ち、上手に使えばこれほど便利なものもありませんが、授業で使うときにはそれなりの使い方があると思います。また、ネチケットと言われるネット上のマナーもしっかり教えていく必要があります。
 まず、インターネットでは様々な情報があふれていて、目的にあったサイトにたどり着くのが大変です。従って、先生方があらかじめ適当なリンク集を見つけておくか、有効なサイトをブラウザに登録しておくことをおすすめします。
 (自分でサイトを見つける練習ももちろん大切ですが、調べることとサイトを見つけることと、どちらに主眼をおくかは前もって決めておかないといけないでしょう。)
 また、「調べる」ことは書籍でもできて、こちらの方が有効な場合もたくさんあります。インターネットには、言ってみれば、誰かが公開したいと思った情報を、その人の感覚で加工したものしかないのです。ですから、「調べる」ということから言えば、インターネットも数ある手段のたった一つである、と見なすべきです。
 次に、見つけたサイトの利用方法です。どうも、印刷して手元に持ってしまうと調べた気になってしまうのは誰にもあることのようで、インターネットも例外ではありません。インターネットの場合、ページは長い巻物のようになっているので、画面に表示されている部分を印刷したつもりでも、往々にしてずらずらと必要のない部分まで印刷されてきます。図や写真なら単独で処理できるので、文章部分は書き写すようにしてもよいと思います。また、コピー・貼り付けの機能を使ってワープロソフトでまとめることもできます。これはもっとも基本的なパソコンの機能で、使えるようになってほしいです。
 それと、著作権の問題があります。ネットから持ってきたものの活用には、慎重に慎重を重ねて当たることが大切です。こういう問題をわかりやすく解説したサイトもたくさんあるので、参照してください。
 あと大切なのは、ネットを通じて公開するときのことです。個人のプライバシーに関すること、資料の扱いその他、考慮すべきことがいろいろあります。
 インターネットと切っても切れないものがメールです。教室内でメールの練習ができるとよいのですが、メールについても使い方の技術的なこと以外に、そのマナーや記号などの使用について知っておかなくてはならないこと、知っておくと便利なこと等ありますので、その折りにはきちんと説明できるとよいと思います。
 インターネットを直接みるブラウザは、Internet Explore または Netscape になりますが、イントラバケッツ一太郎スマイルなどからもインターネット環境に移行することができます。
 メーラーとしての形は様々ですが、スーパーYUKI・キューブネットJr.・イントラバケッツでもメールのやりとりの練習ができます。
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 授業に先立って、先生が一通りソフトを実行していただくのがベストですが、その時間がとれないときには、アドバイザーを活用してください。
 ・どのソフトを使えばいいかわからないとき
 ・使いたいソフトのやり方がわからないとき
 ・インターネットなどの準備が必要なとき     等々
 それぞれの子供はパソコンと向かい合っていますので、ドリルソフトなどの場合は自習のような形になります。それだけでなく、おもしろいソフトでは夢中になっていて、先生が何をやっているかは目に入らないかもしれません。自分としては、パソコン操作を離れて一人一人の子供と向かい合うことのできる、貴重な時間ととらえています。
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 実行にCD-ROMの必要なソフトがいくつもありますが、ときどき起動しなかったり、フリーズしたり、画面がおかしくなったりします。こういうとき、CD-ROMの汚れが原因になっていることがあります。CD-ROMの傷やパソコン自体(CD-ROMドライブ)に問題がある時もありますが、CD-ROMの汚れを落とすことで改善する場合がありので、試してください。
 CD-ROMの汚れを落とす場合には、柔らかく糸くずのでにくい布で、放射線方向に拭きます。接線方向にはふかないでください。水洗いもできます。(このときは完全に乾かしてから使用してください。)
 授業で使うときには、出し入れの際、記録面をさわらないよう注意を喚起してください。
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 ここでは、このレポートで紹介したソフトと、学校に備えられているソフトの一部を紹介します。
 
 ワープロの他、お絵かきソフト、キーボード入力練習の他、シール・チケット・名刺・賞状・観察日記などが簡単に作れるフォーマットがたくさん入っています。これは「一太郎」を単に子供向けに改造したものではなく、「一太郎」の子供版です。
 ワープロでは、起動時に学年を指定することで、メニュー表示や機能が学年相応に変化します。また、日本語変換には、ATOKスマイルを使用しますが、これの優れたところは、辞書が学年別になっているところです。起動時の学年で自動的に辞書が低・中・高学年用になり、必要以上に難しい漢字が出にくいようになっています。辞書には先生用もあり、一般的にも使用できます。(途中で変更もできます。)
 低学年でもパソコンを道具として使うことができるように工夫されています。名前シールや名刺、工夫すればすでにあるチケットを作り替えて別のもの(たとえば「お手伝い券」のような)が簡単な操作で文字を入力して印刷することができるので、パソコンで何か作る楽しみを味わうことができます。
 お絵かきソフトも、豊富なツールがそろっていて、かなり高機能です。スタンプ類も単純なイラストではない子供向けのデザインでたくさんあり、上手に使うことで個性豊かな作品を作ることが可能です(5.1.絵を描こう 参照)。
 賞状、観察日記などは、先生方が教材などで十分使うことができます。
 RPGゲームの形をとったキーボード練習ソフトです。画面でキャラクターを動かしたり、セーブしたりするのにもすべてマウスでなくキーを使います。また、ゲーム中ほとんどいつでも保存することができるので、細切れの時間でもキーボードの練習を継続することができます。個人の進捗状況はフロッピーディスクに保存でき、いつでも再開することができます。
 必ずホームポジションに指がないとゲームを進めにくいように工夫されているし、自然にローマ字入力に移行してくるので、短期間で確実にタッチタイピングをマスターすることができます。
 遊びながらタッチタイピングを習得することができます。基本的なキーの練習から、正確さ、スピードを競うゲームまでいくつもの種類のキーボード練習ができるようになっています。
 インターネットから無料でダウンロードできます。(作者は、500円程度の寄付を希望していますので、気に入ればご協力お願いします。ちなみに、わたしは大変お気に入りです。詳細はインストール後に作成されるreadファイルを参照してください。)
 ワープロ・表計算・データベース・お絵かき・プレゼンテーション・インターネット・音楽・キーボード入力練習ソフトなどのそろった統合ソフトです。パソコン室内でのメールの練習もできます。それぞれのソフトは特別高機能というわけではありませんが、小学生がパソコンを使う上で必要とするような機能は十分すぎるくらい備わっていて、低学年でも抵抗なく使うことができるようになっています。ホームページも作成できます。
 特に、一般的なメーラーによくにたメール機能を持っているので、練習に適しています。生徒間で送られたメールはサーバ(先生機)で確認ができます。
 学年ごとのCD-ROMで教科と昼休み(放課後)とからなります。どの単元も、楽しんで学習できるように工夫されています。量としては、1時間一つの単元ではもたない程度なので、単元の導入やまとめとして、半分板書による授業、半分はパソコン操作という量だと思います。従って、授業がパソコン操作から始まったとき、子供たちが飽きてくる頃に次はなにをすればよいか、前もって準備しておくとよいと思います。(好きにほかの教科をするとか、次の単元に進むとか)
 学年ごとのCD-ROMで、漢字の読み、筆順、熟語(使い方)、漢字の成り立ち、クイズ形式の練習問題など。結構楽しめると思いました。
 お絵かき、図形、文字など、様々なオブジェクト枠でページを作っていきます。画面切り替えのボタンなども張り付けることができ、プレゼンテーションにも使えます。
 いろいろなことができるのですが、Windowsのファイル・フォルダという言葉は使わずに、カード・カードボックスになっていることと、YUKIからは、一般のファイル・フォルダは使えないので、部品(絵や写真その他)をすべて、あらかじめYUKIのフォルダ(部品箱や図書室という名前になっている)に準備しておく必要があり、教師側の負担が大きいようです。ほかにも使い勝手は多少悪いようです。
 また、部品(挿入するデータなど)は、個人用のいれものと共通のいれものがあり、生徒側からは、自分の部品を公開することができません。
 メール機能を使用する場合、サーバ側に生徒の登録が必要です。
 Webページを作ります。ハイパーリンクの設定で少しこつがあります。
 サーバにイントラバケッツ及びバケッツメールの機能を持たせることで、自分の作ったページを掲示板に登録して公開したり、ページの形で他のユーザにメールとして送ることができます。
 一般のファイルからの貼り付けもできます。
 ここで紹介した一太郎スマイルキューブネットJr.は、特に低学年がパソコンを道具として楽しく使えるよう工夫されていて、機能も豊富に持っています。
 5、6年生ぐらいになれば一般的なソフトも使うことができますが、低学年ではそれなりに使いやすくなったソフトがあればそれに越したことはありません。パソコンは便利な道具だということを実感して、「どんどん使っていこう」と思ってほしいので、こういったソフトを活用したいです。
 また、これらは使っているうちに自然に大人と同じものが使えるように工夫されています。
 キーボードモンスターズは、タッチタイピングを遊びながら覚えてしまうには適しています。というのも、必ず指がホームポジションにおかれているように工夫されているからです。「4.日本語入力について」でも書いたように、小学校のうちにキーを覚えて打てるようになるのは、とても役に立つことで、このソフトでは短時間でこのことが可能になります。
 カリキュラムにキーの練習ばかり組み込むことはできないけれど、これはRPG形式をとっていて、個人の成績は練習のどの時点でもフロッピーディスクに記憶することができ、休み時間や昼休みなどを活用して練習を続けることができます。これも是非利用したいソフトの一つです。
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 自分でもかなり偏ったレポートだと思いますが、少しでも子供たちがパソコンに親しんでいく手助けになればという気持ちでまとめてみました。
 ソフトの説明などでも、調査不十分が多々あるでしょうけれど、どうぞ割り引いてお読みいただきたいと思います。
 また、不十分なところ、間違っているところなど教えていただければ、次に授業のお手伝いなりするときに活用させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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以上
更新履歴
2001.6.12 初版
2002.11.2 HP用に改版