絵本作りに使っている文章。オリジナルですから、ご自由にお使いください。 敢えて右端で改行していないので、見づらくなっています。 絵本に使うワープロソフトに貼り付けて使います。本文には改行が入っていません。 この文書(ehonn.txt)をダウンロードして、ワープロソフトで開いてもいいです。 メモ帳で開いたときは、書式→右端で折り返す、にチェックを入れると読みやすくなります。 (ただし、その状態のまま上書き保存すると、右端に改行が入ります。) ここから貼り付けるには、このページの中をクリックしてから、Ctrl+A(全てを選択)して、全部を反転させてから、Ctrl+C(コピー)し、ワープロソフトなどで貼り付け(Ctrl+V、または、編集→貼り付け)します。 この文を、改行して段落や会話に分け、インデント(字下げ)をつけます。 ワードの場合、1−2行目を削除、フォントを20、ページ設定で、用紙をB4横置き、文字の向きを縦書きにして、余白を袋とじ設定にします。 本文は、印刷して中表に折ります。 表紙は、同じページ設定で、外表に折り、表紙には(ワードの場合ワードアートで)タイトル(「ねずみのよめいり」)、裏表紙には学校名、クラス、名前を記入します。 表紙と本文を組み合わせ、裏側の白い部分の縁をのり付けすると、きれいな絵本になります。 -(以下)-------------------------------------------------------------- ねずみのよめいり 「むすめも年ごろになりましたよ。そろそろおむこさんのことを考えましょうねぇ。」「そうだね。どなたかいいおむこさんはいないだろうか。」お父さんのネズミとお母さんのネズミが、お茶をのみながら話をしています。「世の中で一番えらいおむこさんがいいですね。」「それはきっと、お日さまだよ。お日さまのところに行ってお願いしてみよう。」そこで、二人はお日さまのところに行きました。「お日さま、お日さま。世の中で一番えらいお日さま、うちのむすめのおむこさんになってください。」すると、お日さまは言いました。「それはうれしいね。でも、雲さんはわたしよりもっとえらいよ。わたしがいくらみんなをてらそうとしても、雲さんが出てきてわたしがかくれてしまったのでは、どうしようもないよ。」「なーるほど、そうですか。教えていただいて、どうもありがとうございます。」そう言って二人は、お日さまのところから帰ってきました。そして、今度は雲さんのところに行きました。「雲さん、雲さん。世の中で一番えらい雲さん、うちのむすめのおむこさんになってください。」雲さんは言いました。「それはありがとう。でも、わたしより風さんのほうがえらいですよ。風さんが現れたら、わたしなんかふき飛ばされてしまいますから。」「ほんとうだ。もっとえらいのは、風さんなんだ。」また二人はおれいを言って、その日は帰ってきました。つぎの日、二人はそろって風さんのところに行きました。「風さん、風さん、世の中で一番えらい風さん、うちのむすめのおむこさんになってください。」「いや、これはこれは。そう言ってくれるのはうれしいんだけど、壁さんの方がわたしよりえらいよ。わたしがどんなにふいても、じょうぶな壁さんが立っていたら、その向こうへは行けないからね。」「それもそうですね。」二人はまた、風さんにおれいを言って、帰りました。今度こそ、と思って、つぎは、壁さんのところに行きました。「壁さん、壁さん。世の中で一番えらい壁さん、うちのむすめのおむこさんになってください。」「それはありがたいお話です。でも、本当にえらいのはネズミさんですよ。いくらがんじょうなわたしでも、ネズミさんにかじられたら立っていられなくなってしまいます。」これを聞いて、ネズミのお父さんとお母さんは考えました。「そうかぁ、本当にえらいのは、実はわたしたちネズミだったのか。」「そうですね。本当にわかりませんでしたね。壁さん、どうもありがとう。」それから二人は、となりのうちの、元気いっぱいでたのもしいネズミの若者に、おむこさんになってもらいました。お日さまも、雲さんも、風さんも壁さんも、みんながお祝いしてくれました。むすめと若者は、とってもなかよく、末永く暮らしましたとさ。おわり。 (日本むかしばなし)