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簡単な説明のページ

オートシェイプで図形遊び

◆は、やや上級の操作

1.はじめに〜「枠」〜なぜオートシェイプか
2.積み木とオートシェイプ
3.ツールバー
4.その他の設定
5.マウスコントロール
6.オートシェイプの操作
  (1)つくる
  (2)大きさをかえる
  (3)かたちをかえる
  (4)まわす
  (5)うごかす
  (6)けす
  (7)もとにもどす
  (8)コピーとはりつけ
  (9)マウスのかたち
  (10)紙の使い方
  (11)右クリックのメニュー
  (12)◆図形の調整
  (13)◆グループ化
  (14)◆順序
  (15)◆書式設定
  (16)◆テキストの追加
  (17)◆配置/整列、回転/反転
  (18)◆オートシェイプの変更
  (19)◆ダブルクリック → 書式設定
  (20)◆Shiftキー
  (21)◆Ctrlキー
  (22)塗りつぶし効果など
  (23)◆Altキー
  (24)おまけ
7.オートシェイプで覚えることができるもの


1.はじめに〜「枠」〜なぜオートシェイプか
オートシェイプというのは、ワード(やエクセル、パワーポイントなどのMicrosoftOfficeに含まれるソフトなど)で図形を扱うときに使う機能のことです。オートシェイプを練習すると、パソコンそのものの扱い方を覚えることができます。
なぜ、こう言うことができるのでしょうか。
これは、「枠」の操作です。「枠」というのは、たとえば、マイコンピュータを開いたときにできるウィンドウも「枠」の一つと考えることができます。これらは、全画面表示でないときには、枠の縁にマウスカーソルを持っていってドラッグすることで、枠の大きさを変えたり、枠そのものを移動したりできます。
パソコンでは、「枠」は至る所に現れます。
ワープロなどの画面に写真やイラストを取り込んでも、表計算でグラフを作っても、そもそもウィンドウそのものも、上に書いたように、一つの「枠」です。
ですから、枠の操作になれるということは、パソコンそのものの操作になれるということに通じることが分かります。
アプリケーションに挿入した枠には通常、周りにハンドルと呼ばれる小さい印(丸や四角)がつきます。従って、何かを選択(マウスでクリック)したときに、ハンドルが表示されれば、これは「枠」で、大きさを変えたり移動したり、そのほかいろいろな操作の対象になることに気がつきます。また、ハンドルがなくても、外周にマウスカーソルを合わせてそれが両矢印の形になれば、同様に大きさを変えられることが分かります。
このように、「枠」の意識を持つことができると、パソコンで何かするのが楽にできるようになります。特に、今のパソコンはたくさんのウィンドウを同時に操作することができるので、作業の能率も上げることができます。机上(デスクトップ)においた様々な資料(ウィンドウ)を自由自在に使うことができれば、パソコンはとても使い勝手のよい道具に生まれ変わります。
後で述べますが、オートシェイプ(枠)を練習することで、知らず知らずのうちにパソコン操作(マウス操作)も格段に上達します。楽しんでいるうちに、いつの間にかパソコンを快適に操作する練習になります。
パソコン操作を意識する前段階の、小学校低学年のうちに「枠」と「マウス操作」をマスターしてしまうと、その後のパソコン活用にとてもスムースに移行することが期待できます。
では、オートシェイプを使うと、どうやって楽しみながらこういった練習ができるか、続きを読んでみてください。
※)なお、ここには、わかっている限りの、かなり詳細な操作について書きました。これらすべてを使わないとできない、ということでは決してありません。ただ、指導されるときには、一通りこれらの操作を体験してみてください。そうすることで、こういった枠操作が、ほかのアプリケーションや、ウィンドウズの操作でも共通に使えるものであることをご理解いただけると思います。
それから、ここではワード(MicrosoftWord)のオートシェイプを説明していますが、同様なやり方で図形を扱うことのできるアプリケーションはほかにもあると思いますので、パソコンを道具にするための練習、という意味でお読みいただければ、ほかのアプリケーションでも同じような感覚を身につける練習ができるでしょう。
逆に、この文章を読んで、同じことがほかのアプリケーションでできるかを探ってみると、たいてい同じような機能を持っていることに気づくと思います。つまり、オートシェイプの操作は、多くのアプリケーションに共通の操作に結びついています。
たかがオートシェイプ、されどオートシェイプ、なのです。
ちなみに、テキストボックスやワードアートも、オートシェイプと同様に扱うことができます。
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2.積み木とオートシェイプ
積み木を思い浮かべてみます。積み木では、三角や四角といった単純な形を組み合わせて、いろいろなものを作ります。
オートシェイプでも、同じように考えることができます。
ここでは、オートシェイプの持っている豊富な形を組み合わせて、思い思いの絵を組み立てることを考えてみましょう。
ただし、1つ注意したいことがあります。オートシェイプの中には、たくさんの図形が登録されていますが、「その他」を選ぶと、イラスト風の絵が選べるようになっています。(MicrosoftOfficeアプリケーションでは、クリップアートと呼ばれています。一般的には「スタンプ」と言われているものに当たります。)これは、一つ一つに意味のある絵になるので、積み木風に組み合わせるのには向いていないと思います。私は、オートシェイプを使う授業では、これだけは使わないようにしています。
教科としてみるときには、低学年で絵を描く、と見れば図工ですし、吹き出しなどで会話のかたちにすれば国語にすることもできます。
三角と四角を組み合わせただけで、「うち」をイメージできる形にすることができます。四角をずっと小さくすれば、「木」とも見えます。ただ、子どもたちにこういう例を見せることは、ほどほどにしておきます。そうしないと、どうしても「右へ倣え」になってしまいがちで、子ども自身の創造性をゆがめてしまうかもしれません。
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3.ツールバー
オートシェイプの練習には、ワード(MicrosoftWord)を使います。MicrosoftOfficeのエクセルでもパワーポイントでもオートシェイプが使えますが、もっとも使う場面の多いと思われるワードで練習すると役に立つでしょう。印刷するにも適しています。
画面にオートシェイプを出すには、メニューの「挿入→図」からツールボックスを表示して挿入するやり方がありますが、画面下に「図形描画」ツールバーを表示してそこから挿入した方がわかりやすく、操作もしやすいので、通常はこちらを使います。
初期設定では「図形描画」ツールバーが表示されていないことがあります。これを表示するには、画面上のメニューバーやツールバーの右端、何もないところで右クリックして「図形描画」にチェックを入れるか、メニューの「表示→ツールバー」で「図形描画」を選びます。
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4.その他の設定
MicrosoftWord2002以降では、初期設定で、オートシェイプを挿入しようとすると、描画オブジェクトの操作用画面が出ます。この場合、直感的な操作がやりにくくなるので、これが出ないようにしておきます。やり方は、「ツール→オプション→全般」で、「オートシェイプの挿入時、自動的に新しい描画キャンバスを作成する」のチェックをはずします。
ついでに、オートシェイプがグリッド(見えないマス目)にくっつかないで自由な位置に移動や回転ができるように、このチェックもはずしておきます。はずし方は、図形描画ツールバーの「図形の調整→グリッド→(位置合わせ)描画オブジェクトをグリッド先に合わせる」の順にクリックします。
ちなみに、オートシェイプの設定ではありませんが、挿入した写真やイラストの枠としての「レイアウト」(テキストの折り返し、書式設定で変更できます)が、「行内」になっていると、移動ができません。これも、「前面」か「四角」などに変更しておきます。これは、MicrosoftWord98では、挿入のダイアログボックスで設定できます。MicrosoftWord2000では、挿入時の設定を変更できませんが、以降のバージョンでは、「ツール→オプション」で設定できます。
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5.マウスコントロール
オートシェイプでもっとも大切なマウスコントロールは、ドラッグ操作です。また、ドラッグを始める場所の見極め、マウスのボタンを押さえるときにマウスカーソルの位置を動かさずにできるかどうかなど、パソコンをマウスで操作する際のポイントになることがたくさん含まれています。これらを自然にコントロールできるようになると、無意識のうちにパソコンが道具として生きてきます。楽しみながらパソコン操作が上達します。
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6.オートシェイプの操作
オートシェイプの図形操作については、低学年(基本操作)では8つ、高学年(上級操作)ではさらに7つのポイントがあります。また、覚えておいて欲しいこともいくつかあります。(◆はちょっと進んだ使い方)
 
<基本操作>
・つくる
・大きさをかえる 
・かたちをかえる 
・まわす
・うごかす
・けす
・もとにもどす
・コピーとはりつけ 
・マウスのかたち
・紙の使い方
<上級操作>
右クリック
 ・グループ化
 ・順序
 ・書式設定
 ・テキストの追加 
図形の調整(ツールバー) 
 ・配置/整列
 ・回転/反転
 ・順序
 ・オートシェイプの変更
 ・ダブルクリック → 書式設定
 ・Shiftキー
 ・Ctrlキー
 ・Altキー
<そのほか>
 ツールバーのツールボックス(色ぬり、線の色、線の形など)

図形描画ツールバーの「オートシェイプ」をクリックして図形を選ぶか、同じツールバーから四角形・楕円・直線・矢印を直接選びます。選んでクリックすると、マウスカーソルが十文字の形になるので、ドラッグして図形を適当な大きさにして、ドラッグを終了します。
◆このとき、ドラッグを終了するまでにShiftキーを押しておくと、まん丸や真四角になります。直線では、角度が一定(15°刻み)の向きに決まります。
オートシェイプの周囲には、ハンドルと呼ばれる小さな印があります。
MicrosoftWord2002より前では、大きさを変える白いハンドルは四角、以降では丸です。これにマウスカーソルを合わせるとその形が両矢印に変わるので、ドラッグして適当な大きさに変更します。
◆作るときと同様に、角のハンドルをドラッグするときにShiftキーを押しておくと、縦横比を固定したまま大きさを変えることができます。(辺の中央のハンドルをドラッグするときには、Shiftキーは無効です。)
オートシェイプの中には、黄色い菱形のハンドルを持つものがあります。これにマウスカーソルを合わせると、矢じりの形になります。このハンドルをドラッグすると、オートシェイプの形状を変えることができます。
MicrosoftOffice2002以降のオートシェイプでは、ハンドルは初めから3種類表示されています。(大きさ、形、まわす)緑色のハンドルをドラッグすることで、回転させることができます。それ以前のバージョンでは、ツールバーの「オブジェクトの選択」(矢印ツール)の隣に、回転アイコンがあります。これをクリックすると、白い四角いハンドルが緑色の丸いアイコンに変わるので、そのどれかをドラッグします。
なお、この回転ツールは、以降のバージョンでも、「図形の調整」の中に機能(自由に回転)として残っています。
回すアイコンは、図形があまり小さいときには表示されません。このときは、「図形の調整」を使うといいでしょう。
普通にやっていることですが、実はうまく動かないことがあります。
たいていは、マウスが枠の選択の形(四つの小さい黒い矢印のついた白い矢印)になっているときにドラッグすれば動きます。うまく動かないのは、オートシェイプの「吹き出し」のときです。
「吹き出し」のときは、マウスが枠選択の形になるところがいくつかあります。図形の輪郭線をドラッグすれば、「吹き出し」全体を移動させることができますが、周囲を四角く囲んでいる斜線の枠をドラッグすると、吹き出しの起点は移動せず、文字を入力する部分だけが移動します。
「削除」のことです。オートシェイプは、選択状態(ハンドルがついている)のものを、DeleteキーまたはBackspaceキーで削除することができます。文字入力を間違えたときにはBackspaceキーを使うことが多いので、子どもたちは、これを「削除」キーだと思っています。しかし、当然のことながら、本来の削除キーはDeleteキーですので、こちらを使うようにします。
このように、キーそれぞれの本来の使い方をまずきちんと理解しておくことは大切です。
元に戻せるというところは、パソコンの最も有効な機能といえます。アンドゥ(UNDO)といいます。
どんなアプリケーションでも通常アンドゥの機能は備えていますが、その回数の初期値(デフォルト)はアプリケーションによって異なります。回数を変更できるものとできないものとがあります。
操作も、ツールバーにアイコンを持っているものと、メニューからしかできないもの、あるいはツールバーにしかないものなどがあり、極端な話、ツールバーもメニューにもないのに可能なものまであります。
ワードの場合は、ツールバーからと、メニュー(編集)からと、ショートカットキー(Ctrl+Z)を使うやり方とがあります。どれも同じで、回数はほぼ無限といえます。
コピーというのは、子どもたちは「印刷」と混同している場合が多いので、それとは異なることをきちんと説明しておきます。コピーは「複製」で、同じものを別の場所(クリップボードといいます)に作る、という意味です。ワードの場合、クリップボードに何もない(貼り付けるものがない)場合には、ツールバーの「貼り付け」アイコンに色が付いていません。初めのコピーの瞬間に、ここに色が付くことを確認するといいと思います。画面上は、コピーしても何も起こりません。
コピーしたものの貼り付けは、何度でも同じものを貼り付けることができます。(クリップボードの内容は、何度貼り付けてもなくなりません)
コピーと貼り付けについては、メニュー(編集)からと、ツールバーのアイコン(2枚の紙が重なった形)からと、右クリックと、ショートカットキー(Ctrl+C、Ctrl+V)の4つの操作で行うことができます。高学年では、ここで、右クリックの意味(選択したものに対してできること)と、ショートカットキーがあって、使える(マウス操作以外の操作がある)ことを説明しておきます。
それぞれのハンドルにマウスカーソルをあわせると、そのかたちが変わります。子どもたちにとっては、マウスカーソルをハンドルにぴったりあわせること、その位置のままドラッグを始めることは、特に低学年では大変難しいことです。しかし、マウスカーソルのかたちに注目することで、オートシェイプの操作をしているうちにマウスコントロールが上達します。
マウスでもう一つ気をつけることは、注目する場所が、マウスカーソルの中のたった1点だけ、ということです。通常の白い矢印ではその先端、点対称の形の場合にはその中心、など、それぞれの形で注目する点が決まっています。従って、「マウスカーソルをアイコンにあわせる」ということは、この注目する1点をアイコンに乗せる、という意味になります。
通常の画面(全画面表示で100%)では、A4の紙の上半分だけが表示されています。紙の右側の「スクロールバー」が、紙全体と表示部分を示していることを説明し、スクロールすることで全体を表示できることが分かるようにします。
また、紙全体を表示するためには、「印刷プレビュー」(見るだけ。編集できない)または、メニュー(「表示」)から、「ズーム→ページ全体を表示」(編集画面)を選びます。ページ全体を表示するには、ツールバー「標準」(通常、メニューバーのすぐ下)にある「100%」をクリックして選ぶこともできます。
対象とするオートシェイプの中で右クリックすると、ショートカットメニューと呼ばれる小さなウィンドウが開きます。この中には、今対象となっているオートシェイプに対してできる操作がリストされています。一つ一つメニューバーからたどるより簡便です。リストの中で、薄い色の字で表示されているものは、そのオートシェイプか、選択したものの状態では使うことのできない機能です。
◆通常、右クリックで表示されるメニューでは、対象とするものに対してそのとき行うことのできる操作が一覧になっています。したがって、この操作を覚える、ということは、いろんな場面で何かしたいときに、ためしに右クリックしてみる、という感覚を身につけることになります。
図形描画ツールバーの左端にあります。クリックするとオートシェイプに対してできることの詳細がプルダウンメニューとして表示されます。右向きの小さい三角がついているものは、マウスカーソルをあわせると、さらに詳細なサブメニューを表示します。
右クリックメニューと、図形の調整メニューは、項目が重複しているものがありますが、若干使い勝手が異なるものもあります。慣れてください。
複数のオートシェイプを組み合わせたものを、一つの図形として扱うことができます。折り紙で作った部品を、のり付けする感覚でしょうか。
複数のオートシェイプを一度に選択する方法は二つあって、一つは、目的の枠を、Shiftキーを押さえたまま次々とクリックしていきます。しかし、これではたくさんあったときに不便なので、二つ目の方法として、図形描画ツールバーの左の方にある「矢印」ツールを選んでドラッグした矩形で囲むやり方を使います。これは、矩形に完全に囲まれた枠だけが選択されるので、加えたり除いたりしたいときは、その後、Shiftキーを使ってクリックすることで、選択状態を変えます。(Shiftキーの代わりにCtrlキーでもいいです)
「矢印」ツールは、再度これをクリックするまで有効です。有効な間は、文字入力できる位置でもマウスカーソルが矢印のままなので、判断できます。
オートシェイプは、後から作った枠が上に重なるように順序がつけられます。小さい枠に大きい枠を乗せると、小さい枠は見えなくなってしまいます。折り紙で作った部品を考えるとわかりやすいでしょう。この重なり具合を変えるのが「順序」です。
「順序」メニューに着いているアイコンに表示される黄色い枠が、今選択している枠、グレイの枠はその他の枠です。たくさんのものの中から、複数選んで、そのまま最前面におくこともできます。複数の枠の順序を同時に一つ動かした場合の動作については、やってみて確認してみてください。可能です。
「書式」は、「プロパティ」とだいたい同じ意味ですが、開くと、選択したものについての様々な性質を表示したり変更したりできます。簡単な設定は図形描画ツールバーからもできますが、ここではさらに詳細な設定ができます。
ほとんどすべてのオートシェイプをテキストボックスにして使うことができます。
整然と見栄えのよいものを作るとすれば、こういう機能は大変重宝します。配置/整列の場合は、用紙全体とのバランスをとることも可能です。ただ、これをはじめから示さなくてもいいと思います。ヒント程度を紹介して、自分の作品をよいものにしたい、というこだわりが出てきたときに、使い方がわかるようにしておけばいいと思います。
たぶんこれはあまり使われないかと思いますが、作ってあるオートシェイプを、その属性(書式)はそのまま、別のオートシェイプと取り替えることができます。便利なのは、テキストボックス(四角)に文字を入れたあとに、好きな形に変えることができる、ということです。
通常、ダブルクリックは「開く」です。この、「開く」という操作は、たくさんの意味を持っています。まず、アプリケーションのショートカットアイコンにより、アプリケーションを開く。次は、アプリケーションの中の「開く」ダイアログボックスでファイルやフォルダを開く。エクスプローラ(マイコンピュータ)画面で、フォルダを開く、ファイルをダブルクリックして対応するアプリケーションを起動してからファイルを開く。
ここでは、オートシェイプをダブルクリックして、書式設定のダイアログボックスを開きます。
ダブルクリックは、このように、いろいろなものを「編集」するためのウィンドウを開くために使います。このことが理解されてくると、いろいろな場面で何か「編集」したいときには、ダブルクリックしてみる、という手段を覚えることになります。
(注)ワード98をお使いの方は、注意が必要です。挿入した写真などの画像枠をダブルクリックすると、「図の編集」という画面になります。この画面が開いた時点で、画像の性質が変わり、(詳しくいうと、jpgからbmpになります)ファイル全体の大きさ(ファイルサイズ)がたいへん大きくなります。こうなると、画像を挿入し直すしか元に戻す方法がありません。書式設定のダイアログボックスを表示する場合は、右クリックを使ってください。これ以降のワードにも、「図の編集」はメニューに残っていますが、同じ理由でお勧めしません。
オートシェイプでは、複数の枠をクリックして選択するとき、Shiftキーを使います。
Windowsの一般的な操作では、並んでいるもの(ファイル一覧や、エクセルのセル、文字列など)の最初をクリックして、並びの最後をShiftキーを押しながらクリックすると、その間のものすべてを選択することができます。
オートシェイプでは、並んでいる、という感覚がないので、複数選択するときにShiftキーを使います。
Shiftキーを押しながらの操作では、正確な円や正方形を作ること、角度の決まった直線を作ること(15°刻み)、拡大縮小のときに縦横比を保つこと、水平・垂直移動させること、水平、垂直に拡大・縮小する(直線など)ことなどができます。
Ctrlキーを押しながら移動させると、選択したものをコピーすることができます。このときは、クリップボードの内容を書き換えません。この操作は、Windowsでは至る所で行うことができます。通常、Ctrlキーを押すと、マウスカーソルにプラス(+)の記号が付きます。
オートシェイプでは、このほかに、Shiftキーと同じ操作(複数選択)も可能です。
むしろ、Windowsでは、とびとびの選択(並んでいない)にCtrlキーを使うので、複数選択としてはこの方が自然です。
オートシェイプの書式で、よく使われるものは、図形描画のツールバーにあります。塗りつぶしの色、線の太さや形、矢印や3D効果などです。
この中の、塗りつぶしの色の中の塗りつぶし効果では、単色だけでなく、グラデーションやパターンを付けることができます。おもしろいのは、「図」で、これは、選んだ図(写真など)を、オートシェイプで型抜きすることができます。
初めの設定で、作ったオートシェイプをグリッドに合わせないようにしました。(4参照)しかし、移動などの結果を揃えたいときには、グリッドに合わせると便利です。Altキーは、押したまま移動したり回転させたり、大きさを変えたりすると、グリッド(決まった量)に合わせてオートシェイプが変化します。
ツールバーを表示すると、通常、画面の一番下の固定した位置に表示されます。ただ、これは左端の小さい縦棒(マウスカーソルをあわせると上下左右の矢印になります)をドラッグすることで、画面の好きな位置に持っていくこともできます。また、それぞれの項目からプルダウンで表示されるウィンドウも、その最上部をドラッグすることで、独立させて画面においておくこともできます。
それから、同じオートシェイプをいくつも続けて作りたいときには、図形描画ツールバー中のアイコンや、この独立させたウィンドウの中のアイコンをダブルクリックします。すると、アイコンが押されたままの状態になり、続けて同じものを作ることができます。解除するにはもう一度そのアイコンをクリックするか、ESCキー(キャンセル)を押します。
もう一つ、おもしろい機能があります。作ったオートシェイプをタスクバーの何もないところまでドラッグすると、元の文書(ワードの画面)が最小化されます。また、タスクバーにあるほかの文書(ワードに限らず、他のアプリケーションでも。MicrosoftOffice以外のアプリーケーション、たとえば一太郎などでも)までドラッグすると、その文書が画面に開くので、そのままドラッグを続けてドロップすると、目的の文書にオートシェイプを挿入することができます。Ctrlキーを使ったコピーもできます。ただし、この機能は、目的の文書が最大化されているときだけ可能です。このことは、オートシェイプに限らず、MicrosoftOffice系のアプリケーションでの「枠」ではだいたい可能です。(写真、グラフなど)ただ、クリップボード経由でコピー・貼り付けのできるアプリケーションでも、この操作では貼り付けることができないものもあるので、いろいろやってみてください。(Microsoftペイントではできませんでした)
この、最小化は、「機能」ですが、実は子どもたちがオートシェイプを移動したり大きさを変えたりするつもりで、マウスがタスクバーに届いてしまったときに起こります。なくなった、と騒ぎ出すのは、たいていこれです。画面にタスクバーがあるときは、すぐ気づくのですが、子供用のプログラムランチャーなどが全画面表示になっているときに起こると、消えてしまったように見えます。そのときは、Alt+Tab または、Windows+Tab で起動中のプログラム(タスクバー)の確認ができますので、慌てないでください。
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7.オートシェイプで覚えることができるもの
初めに書いたように、オートシェイプの操作が難なくできる、ということは、パソコンを快適に操作し、道具として使いこなすことに大きくつながります。
そのポイントは以下のようになります。
・ツールバーでの操作(オートシェイプを作る、色を付ける、等)
・ツールバーそのものの操作(サブメニューの表示、サブメニューの独立・移動)
・マウスカーソルの形を意識する
・マウスカーソルの位置(矢印の先・点対称の中心)を意識する
・マウスカーソルを任意の位置に移動
・マウスカーソルを動かさずにマウスのボタン操作ができる
・ドラッグ操作(枠・ハンドルを移動)
・枠の選択(ハンドルの有無、アクティブの感覚)
・操作の先指定(「何をどうする」の順番、選択の概念)
・元に戻す操作(元に戻せることを知る)
・ショートカットキー(キーボードでも操作できることがわかる)
・Shiftキー(まん丸、真四角、決まった角度、複数枠の選択)
・Ctrl+ドラッグ(コピー)
・右クリックの意味
・ダブルクリックの意味
・書式設定(→プロパティ)
・クリップボードの使い方(コピー・貼り付け)
・順序(枠の重なり)
・グループ化と解除、グループ化と複数選択の違い
・整列、反転、回転
・文字列の折り返し(枠と枠外の文字列との関係、レイアウト)
・テキストボックスの扱い、テキストの追加
どれも、オートシェイプだけの機能ではありません。ウィンドウ操作や、ほかのアプリケーションでの枠操作(たとえばエクセルでのグラフなど)に通じる事柄です。
「枠」を意識できることは、パソコンが快適な道具になることを意味します。クリップボードや、ショートカットなど多くの事柄は、「枠」の枠も超えたパソコンならではの便利な道具です。
こうやって、オートシェイプを授業で取り上げることは、単に図形を組み合わせる、ということが目標ではありません。楽しみながらの、パソコンが道具になる感覚を身につけるための練習として位置づけられるのです。ぜひ、次の段階にうまく結びつくように活用していただきたいと思います。
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